2018年発売のNintendo Switch用ソフト、「マリオ+ラビッツ キングダムバトル」。
本作は任天堂を代表する「マリオ」とUBI softのキャラクター「ラビッツ」が同じゲームの中で大暴れするシミュレーションアドベンチャーゲームだ。

楽しいことが大好きな「ラビッツ」たちが、マリオの世界に入り込んでしまったことで、空にナゾの巨大な渦が出現。キノコ王国がおかしな世界に…。
異変が起きた世界をもとに戻すため、マリオとラビッツたちが協力して冒険する。

「ラビッツ」とはフランスの大手ゲーム会社UBI softの「レイマン」の敵キャラである。
本作は、マリオの世界を舞台にした本格シミュレーションゲーム。ターン制のバトルで敵と戦い、さまざまな仕掛けと謎を解きながら進む。
マリオ+ラビッツという微笑ましいキャラクターと世界観がほのぼのしていて癒される。

マリオに代表される万人受けする任天堂のゲームとコアなファン層を持つ戦略シュミレーション。一見相性が悪いように見えるが、古くはファイアーエムブレムシリーズがあるように決して任天堂がこの種のジャンルに不得手なわけではない。

本作は、ターン制のシミュレーションバトルで敵を倒すモードと、行く手をさえぎる仕掛けや謎解きをしながら進むというアドベンチャーという、二つの要素が合体している。
ゲームの流れとしてはアドベンチャーパートで自由にキャラを動かしながら進みつつ、一定のポイントに差し掛かると5~10分程度のシミュレーションRPGバトルが始まる。
ファイアーエムブレムに比べると1戦1戦のテンポが早く、戦闘の数が多いのが特徴だ。

本作は、キャラクターごとに「移動」「攻撃」「特殊スキル」の3つのアクションを駆使して敵と戦うターン制のバトルである。アクションごとにキャラクターを切り換えられるため、自由自在にアクションの順番を組み立てられる。
このバトルが奥が深く、面白い。

バトル中の「移動」では、行動の幅が非常に広い。
味方と協力して大きくジャンプをし、より遠くまで有利な場所へ行ったり、スライディングで敵を攻撃したり、ラビッツの形をしたどかんを使って敵の背後へ回り込んだりできる。
「移動」時にできる行動の組み合わせ方と、仲間をどんなアクションでどの順番で動かすか、これだけでも選択肢が多い。
この「移動」をどのように使うかが、バトルに勝つためのカギになると言えるだろう。
もちろんこの前後には「攻撃」ができる。さらにはキャラの組み合わせ×武器(メインとサブ)の組み合わせでも幅広い選択肢がとれる。敵に特効を持つ武器も多数存在するため、ステージ毎に選んで挑めるのだ。
しかし、行動の幅が広いのは相手も同じで、相手の行動が非常に読みづらい。そのため、敵の移動範囲を確認しつつ一手先を見据えた立ち回りが必要になるため、勝利した時は気持ちが良い。

本作は、キャラクターに「経験値」や直接の「レベルアップ」の概念はない。
武器のレベルアップとスキルの習得が主な要素となっている。
ステージクリアなどで溜まるオーブを振り分けることで、キャラクターのスキルやHP、移動力の強化が可能となる。
また、ストーリーを進めるとHPが自動で強化されていく、戦闘勝利後には出撃していないメンバーもスキルポイントが得られる、一度設定したスキルが何度でもリセットしてやり直せる、など親切な設計となっている。

武器には「メインウェポン」「サブウェポン」の2つがある。
基本はメインウエポンの銃で攻撃することになるため、敵味方ともに攻撃の射程が長い。
射程の広さや攻撃範囲など、武器は様々な特徴をもつので、戦況に応じて使い分けしたい。
また、武器の種類は250種以上と豊富でやり込み要素は申し分ない。

シンプルで取っ付きやすいシステムも魅力だ。
戦闘に参加できるキャラクターは3人だけ。一回の戦闘も一般的な戦略シミュレーションと比べるとかなり短いため、テンポ良くプレイできる。
命中率は場所によって変化するが100%、50%、0%の3種類のみなど、全体的にシンプルな作りなので、戦略シミュレーションに慣れていない初心者でも入りやすい。
また、中盤からは難易度が高くなっていくため、難しい場合は「イージーモード」をいつでも選ぶことができる。

協力プレイやバトルを2人で遊ぶことも可能だ。
協力プレイには、ボスを倒したりキノピオを守るなど様々なモードが用意されている。
2人のチームワークで乗り切ろう。

本作は独特のバトルシステム、スキルの異なるキャラクター、育成や探索要素など、今までのマリオシリーズにはなかった要素をふんだんに取り入れており、マリオシリーズ初の戦略シミュレーションとして非常に完成度の高い作品となっている。
そして内容は、シンプルなシステムで初心者にも取っ付きやすく、一方で適度な歯ごたえのある戦略性も併せ持った、万人向けの安定した出来になっている。
初心者からシュミレーション好きのコアなプレイヤーまで楽しめる、まさに任天堂らしい良作だ。