2077年、核戦争によってすべてが変わり果ててしまった―
シェルターで200年以上冷凍保存されていた主人公が息子を探す旅に出る。

本作は、核戦争後の荒廃した世界を描いたRPGゲームシリーズ『Fallout』の第4作目にあたる作品。Fallout3の直接的な続編であるが、前作との繋がりはほとんどない。しかし、核戦争で崩壊したアメリカ大陸が舞台という独特な世界観はそのままである。
核で崩壊した世界観やゲーム全体の雰囲気、そして一人称視点のストーリーが面白い。

2077年10月23日、ボストンに住む夫婦の元に、地下シェルターVault111(ボルト111)への入居が認められたという通知があった。が、その直後、アメリカ本土に核が落とされているというニュースが流れ、夫婦は息子と共にVaultに避難する。そして、冷凍冬眠装置に入った。
ある日、外部からの操作によって一時的に冷凍冬眠が解除され、息子が奪われる…。
核戦争から210年後の2287年に目を醒ました主人公は、唯一の生存者としてVault111から脱出。荒廃した世界・ウェイストランドへ息子を探す旅に出る。

単語としての“Fallout”は、“放射性降下物”のことを指す。つまり、シリーズテーマは「核」。
核により文明が崩壊した後の世界が舞台であり、生き物、通貨、秩序、あらゆる概念が一変し、世界に生きる人々には私たちの知る常識が通用しない。そんな世界に生きる人々と関わりながら、一人きりで旅をするも、ソルジャーとして勢力闘争に加わるも、相棒と二人で気ままに冒険するも、全ての決断はプレイヤー次第。行動の選択肢が多く、善人プレイ、悪人プレイが関係なく自在に遊べる。とにかく好きな事をやればいいのだ。この世界では誰にも邪魔されることなく、自由にのびのびと暮らしていける。実に選択肢が多いオープンワールドRPGである。
今作は各分野における自由度がさらにパワーアップしている。植物観察やアイテム収集に没頭するも、街づくりをするも、廃墟を探索するも、もしくはメインストーリーを気にせずサブクエストを楽しむことも、何でもできる。ストーリー進行を無視していきなり放浪の旅に出ることも出来てしまうのだ。
この、最初からどこに行ってもいい自由度の高さが『Fallout』の最大の魅力と言えるだろう。好き勝手に行動してもゲームが進んでいく。
なお、Vaultから始まる物語はメインクエストとして登録され、どこに向かえばいいかなどを示してくれる。オープンワールド系のゲームが初めての人は、まずメインクエストを進めるように行動してみると良いだろう。
ちなみに、ストーリー展開も自由度が高い。本作ははマルチエンディングを採用していて、加勢する勢力によって終盤の展開が大きく変わる。


キャラメイキングも自由度が高い。
夫か妻、どちらを選ぶかで、プレイするキャラクターの性別が決定する。変更できる部位はなかなか多く、こだわりはじめるとキリがないほどだ。
そして、キャラメイキングには最初のステータスの振り分けも重要になってくる。『Fallout』シリーズのステータスは“S.P.E.C.I.A.L.”と呼ばれており、全7種類の項目が存在する。すなわち、筋力、状況認識力、体力、魅力、知力、素早さ、運。与えられたポイントをこれらのステータスに割り振る必要がある。この振り分け方によりキャラの特徴が決まるため、自分のイメージに合った振り方を考える必要があるのだ。
育成システムも自由度が高く、説得、交渉、ハッキング、クラフトと多岐に渡り育成できる。
レベルアップにより取得できるパーク(スキル)は270個もあり、どれも個性的なものばかりなので飽きずにレベル上げが楽しめる。他のゲームの場合、キャラクター育成と言えば戦闘能力を高める要素が多いが、『Fallout4』は戦闘に限らず自由にキャラクターを育成できるのが面白い。
また、バリエーション豊かな武器が登場する。
ピストル、ショットガン、スナイパーライフルなどの定番銃器の他、冷凍銃、レーザー銃、プラズマ銃、ガンマ線銃などの未来的な銃も登場。また、近接武器も豊富でバット、剣・刀、リッパー(小型電動ノコギリ)等々…。さらにはこれらの武器のほとんどが改造することが出来る。特に銃器の改造のバリエーションが豊富で、長距離スコープを付けてスナイパー仕様にしたり、銃口に刃物を取り付けて銃剣にすることも可能だ。自分でパーツを組み合わせて作ったものが特別な武器になるのでとにかく飽きない。
ちなみに、ゲーム難易度が高いほど出現しやすくなる「伝説級の敵」は、倒すことでレア武器が手に入る。レア武器には特殊効果がついておりさらに特殊な武器が作れるので、レア武器収集が楽しくなるだろう。

武器だけでなく、防具も改造が可能となり、好きな名前がつけられる。
防具は前作までの「全身+頭部」ではなく、「胴部+右腕+左腕+右脚+左腕(+頭部」と細分化されている。これによって様々な防具を装着可能になりプレイヤーの好みでカスタマイズできる。
また、「武器・防具の耐久度システムの廃止」というシステムが使われているため、「耐久度の関係でレア武器などが気軽に使えない」という不満が解消された。
そして、今作ではレベルの上限が廃止、スキル値の概念も無くなっている。そのため、低スキル時に銃がまともに当たらないという問題はなくなっている。

戦闘方法も選択肢がある。
FPS的なシューティングとRPG的なコマンド方式と選べるのだ。コマンドで敵の部位を選択して攻撃も可能で、コマンド中はスローモーションになるので慌てる事もなく進められる。

難易度には「ベリーイージー」、「イージー」、「ノーマル」、「ハード」、「ベリーハード」に加え「サバイバル」がある。
「サバイバル」には喉の渇き、空腹、睡眠不足などの症状が追加され、プレイに緊迫感が生まれている。

建築(クラフト)は今作から登場したシステムだ。
前作ではただの換金アイテムだったジャンク品が重要素材のクラフト材料として有用になっている。この集めた素材を使って、自分の拠点を作れる。自分なりのキャンプ場を作り、生活の導線を考えながら建築していけるのだ。拠点には、様々なものを自由に配置できる。
建築物のほかベッドや椅子など、家具もクラフトで作り出すことができる。単純な家具の他にも、食料や水といった資源、敵を迎撃するタレットやトラップ、それらに電力を供給するジェネレーターなど役立つ様々なアイテムを作れるのだ。
本作は「荒れ果てた大地の再建」もテーマの一つに据えられており、クラフトの一環として村や街を作ることができる。既存の施設を生かして新たな建築物を作ることができ、この自分で作った街が活気付くのはとても楽しい。

プレイヤーの数だけストーリーがある自由度の高いゲームだが、細かい部分の作りが雑なのが残念なところだ。日本語訳が雑でバグも多い。たまにフリーズも発生する。
こまめにセーブデータを分けて、おいたほうが良い。

その他細かい粗は多いものの、それを補ってあまりあるやりこみ要素と中毒性のあるシステムは是非一度プレイすることをお薦めしたい。