時は紀元前431年、神話と伝説に彩られた古代ギリシアの黄金時代。

自ら歩む道を決断し、運命を己の手で変えていく「選択」の物語が始まる。


家族に殺されかけるという壮絶な過去を抱く主人公は、ケファロニア島で天涯孤独の身として幼少から過ごしてきた。実はスパルタ人である主人公は、世間に疎まれる傭兵を営みながらもギリシアの英雄へと成り上がっていき、己の過去に隠された真実を明らかにしていく。

ギリシアに覇権を唱えようとするアテナイと自主独立を堅持しようとするスパルタ。主人公は両勢力がぶつかるペロポネソス戦争へ身を投じていく。


人気ステルスアクションゲーム『アサシンクリード』の最新作である本作は、

今までのステルスプレイ重視だった前作までとは違い、アクションにも重きを置いた作品になっている。

前作の紀元前46年「古代エジプト」に引き続き、本作も紀元前400年「古代ギリシア」が舞台。

「アサシン教団創設の起源」を描いた前作よりも遥かに以前の話である。シリーズで最も古い時代を描いているのだ。

ストーリーの内容は、今までのシリーズとはほとんど繋がりのないものなので、今作が初めての『アサシンクリード』という人でも問題なく遊べる。

今作ではシリーズ初、男のアレクシオス・女のカサンドラのうち一人を主人公として選べる。

同じく2人の主人公が登場した『アサシンクリード シンジケート』とは異なり、今作では最初に選択した主人公でプレイする仕様になっている。


シリーズではおなじみの暗殺任務も、物語を進める上で必須となるが、今作では「大規模戦争」を体験できるという特徴がある。スパルタとアテナイという2つの大国が勢力争いを繰り広げているため、コンクエスト(征服戦争)は支配を賭けた戦争で、数百人が入り乱れる特殊なバトルとなる。戦争に勝利することで陣営が変化するという流れにより、歴史の中を歩むような体験ができる。

また、船に乗った状態で海賊や敵対している軍船に近づくと、海戦が発生する。

海戦は通常の戦闘とは異なり、船の武装を使った攻撃で敵船を破壊する必要があるため、船そのもののデザインを変更したり、暗殺せずに気絶させた敵兵士を説得して乗組員として雇ったり、一人の船長としてマネージメントも楽しめる。

エーゲ海が舞台の船上戦で、隠された財宝を探し出し、敵の艦隊を打ち破りたい。

その他、神話の怪物との戦闘も用意されている。


また、今までのシリーズと違い、敵にレベルが存在する。

武器にもレベルがあり、主人公はアビリティで強化できるなど、育成要素が強化された。

矢が壁を貫通するようになったり、主人公が透明になったりするユニークなアビリティの登場によって、戦闘スタイルの多様化が実現している。

本作から、体の部位「頭・胴体・腕・腰・足」にそれぞれ防具を割り当てられるようになったことで、防御力特化にすることも、攻撃力特化にすることも、オールマイティに装備することも可能に。

戦闘の難易度は、メインメニューのオプションで、イージー、ノーマル、ハード、ナイトメアの4段階になっている。この難易度はプレイ中でも自由に変更可能であるため、いろいろ試しながら、自分の好みに合わせた難易度設定をしたい。


船の登場による移動手段の追加に戦闘の多様性が面白い。

ステルスメインのゲームではあるものの、本格的なアクションも楽しめる贅沢な作りになっており、より大胆な戦闘を前提に構成されているゲームである。



さらに、前作よりRPG要素を追加。

ストーリー中に「選択肢」という要素が追加され、選択した内容によって物語の結末が変わっていく仕様である。つまり、今作では『アサシンクリード』史上初めてストーリーの分岐が存在するのだ。

プレイヤーの選択がゲーム世界に影響を与え、「選択」はキャラクターの生死、引いてはエンディングをも左右する。エンディングにも、グッド/バッドエンディングが存在する。


また、本作では舞台が古代ギリシアになっており、広大で美しいマップも見所の一つだ。

マップの広さはエジプト全土を描いた前作よりも広大だが、端から端まで本当に作りこまれている。

山から海まで、どこへでも行けるし、登れない場所も存在しない。海でも潜って探索することができるのだ。

海、特に波の表現が非常にリアルで水しぶきもあがる。


海戦、大規模戦闘、 暗殺、 プレイヤーの選択で運命が変わるRPG要素。

アクションもステルスも両方楽しめる良作だ。