『薄桜鬼 』は2009年にオトメイトから発売された女性向けの恋愛アドベンチャーゲームだ。

PS2で一作目が登場して以降、さまざまなハードで発売、制作された。幕末の新選組を舞台として、史実に登場する人物達の魅力的なキャラクター描写、吸血鬼(羅刹)という独特の奇譚要素等で大ヒットを記録し、アニメや舞台、映画などにもなったシリーズである。

本作『薄桜鬼 真改 風華伝』はPS4で発売され、PlayStation®Vitaリメイク作『薄桜鬼 真改』の前編にあたる『薄桜鬼 真改 風ノ章』と後編『薄桜鬼 真改 華ノ章』の2作をひとつにまとめたタイトルだ。今までの同シリーズの既存作、派生作品等の整合性を取りつつ、あらためて統一した集大成的な作品と言える。そのため、これ一本でシリーズの原点をすべて楽しめる内容となっている。
本作は『薄桜鬼 真改 華ノ章』発売後に、期間限定で配信されたダウンロードコンテンツの追加シナリオを全攻略キャラクター分収録しているのも魅力的だ。また、高解像度化にともない、グラフィックもさらに美麗になっている。

幕末、文久三年――父を探しに京へ来た主人公・雪村千鶴(名前変更可能)の視点で進んでいく。
見知らぬ都で浪人たちに襲われる途中、彼女が遭遇したのは血に飢えた異形の者や、その異形を切り伏せる新選組の隊士の姿。
奇なる縁により、新選組と行動を共にすることとなる主人公。
父を捜す彼女と新選組は、やがて謎の剣士たちと遭遇する。そして、新選組の闇の秘密である「羅刹」の存在も明らかになっていく。
変若水(おちみず)と呼ばれる薬で血に飢えた新撰組の隊士を、時に見守り、共に戦いながら、時代に翻弄されつつも信念を貫く男たちの話を進めていく。
新撰組が京で活躍した時期を「薄桜鬼 真改 風ノ章」、その後の江戸に戻って以降の時期を「薄桜鬼 真改 華ノ章」の前後篇となっているが、今作はすぐに続きがプレイできるようになっている。
また、クリアしたルートの好きなところから始められる「行軍録」では、再開場所や特定のキャラクターの好感度も自由に設定変更が可能。クイックセーブやクイックロードも搭載している。

女性向けの恋愛アドベンチャー、所謂乙女ゲームといえばつい敬遠してしまう方もいるだろうが、
本作は乙女ゲームでありながら登場人物の描写や設定等は非常に史実を踏まえて丁寧に作られており、
恋愛ゲームでありながら歴史好きのプレイヤーでも十分楽しめるような作品になっている。
尚、ゲームはフルボイスで、声優陣はとても豪華だ。サブキャラに至るまで主役級の声優が演じている。グラフィックも美しいので、ゲームというよりもアニメに近い印象である。

また、史実を踏まえながらも、鬼、羅刹、新選組の謎の凶暴化現象、それを作ったとされる行方不明の主人公の父親の存在などのオリジナル要素が物語を彩り、薄桜鬼独自の世界観を作り出している。
シナリオには、史実のエピソードが多く使われており、それに伴い登場人物たちの性格までよく考えてつくられている。キャラクターとの恋愛よりも、物語や歴史がしっかりと語られており、新選組の行く末を見届けるストーリーがメインとも言える。ちょっとした小ネタや描写等にもこだわりがあり、テキストのレベルは総じて高い。
攻略対象は12人で、それぞれのキャラクターを攻略する事で物語の背景が理解されていく為、何度でも飽きずにクリアをしてしまう魅力が本作にはある。

歴史好き、幕末好きにはたまらない要素満載である。そこにファンタジー要素を組み込み、歴史に興味のないユーザーでも物語として純粋に楽しめる。さらに、魅力的なキャラクターと、恋愛要素をこれでもかと盛り込んでいる。非常に豪華な作品と言えるだろう。さすが10年以上愛されている作品である。

乙女ゲーというだけで敬遠してしまうにはあまりにも惜しい傑作アドベンチャーゲーム、
是非お薦めしたい1本だ。

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