『信長の野望』といえばコーエーテクモの歴史シュミレーションゲームの代表的なシリーズである。

任天堂スイッチで発売されている『信長の野望 創造 with パワーアップキット』は、革新的なシステムを搭載しながらも欠点の多かった『信長の野望 創造 』を改善し、大幅にグレードアップしたものとなっている。

元々「新時代の創造」がテーマとなっている本作は、最初に内政コマンドを選択した後はリアルタイムで時間が経過していき、その間に戦略を実行していくリアルタイムストラテジーのようなシステムになっていること、
又、既存作のように武将個人の能力だけではなくそれぞれの「大名家」によって創造性や主義などが異なり、プレイスタイルもその選択した勢力のいわば「家風」によって執るべき戦略が異なってくること等が特徴になる。


つまり織田家には織田家の主義があり、それは当然、毛利家、武田家、あるいは長曾我部家とは違ってくる。

一般的な組織で考えれば、その組織によって保守的であったり、または新しいものに積極的であったり、特定の技術に強みがあり、また弱みありということはいわば組織風土として根付いており、それを突然主君の鶴の声一つでがらっと変えることは現実的には難しい。

勿論組織の風土を変えていく事は可能だが、その場合既存の人材は不満を抱き離反しやすくなる。当然彼らに対して目配りをする必要が出てきたりする。



そういう意味ではよりリアルになったとも言え、攻略の地理的優位性や武将、国力の数値以外にはあまり違いのなかった勢力毎に特色を与えられたことで、それぞれの勢力毎に違った楽しみ方ができるのが本作の面白みの一つだろう。


勿論力押しで他家を攻略できる恵まれた環境の勢力もあれば、内政で人・金・モノ(米)を蓄えるべき勢力、又、その内政の猶予すらなくすぐにも攻め込まれたら終わりという状況で、まずは外交によって同盟関係を何とか維持し、その間に時間稼ぎをして虎視眈々と勢力拡大を図るべき国もあり…弱い勢力だからつまらない、というわけではないのがこのシリーズの良いところだ。


又、このパワーアップキットによりシナリオの大幅追加、演出の強化、内政システムは「資源」など新しい要素が加えられ、謀略システムが復活する等、単なる完全版というよりは殆ど新作に近い程に改良、改善が加えられている。


『創造』は本城を所持している大名しか選択できなかったり、他国への交渉の内容がざっくりとしていて物足りない部分も多々あったのだが、その後アップデートやパワーアップキットで機能が拡充され、その気になれば権謀術数の限りを尽くして遠方の大名達を同盟し、徳川織田の大勢力を侵食して無力化する、といったプレイも出来てしまう。




特に「会戦」のシステムは無印から完全に作り直されており、
本作のディレクターは初めは「創造2」としてリリースしようと考えていたという程、
非常に奥深く楽しめる作りになっている。



特に任天堂スイッチ版になっての特徴は、ユーザビリティの向上や、近年放映されていた大河ドラマにあやかった新シナリオ『井伊に咲く花』などの追加要素。凛々しい女主人公の井伊直虎をテーマにしたシナリオは楽しみを増してくれる。

又、『信長の野望・創造 戦国立志伝』にて配信されたDLCを除き、ほぼ全ての同シリーズにおけるDLCは収録されているのも素晴らしい。

他にはスイッチのモーションIRカメラを利用した新武将作成機能もあり、被写体として撮影した自分の顔画像などを取り込み武将として作成することも出来たりする。


何よりスイッチ版では携帯機でもテレビ画面でも戦略を練り、国盗りが出来るというのが大きな魅力になるだろう。




非常に息の長いシリーズではあるが、このパワーアップキット版がシリーズ史上最高傑作との呼び声もあり、歴史シュミレーションファンなら無視できない良作と言えるだろう。




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